第1回アンケート コンソレーション(S172)

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2005/03/19

回答受付期間:2005/01/30〜2005/03/19

 初めて本格的なアンケートを実施しました。多くの回答を集めるために結構待ちましたが、それでも15件もの回答が来たというのは驚きです。送ってくださったみなさん、本当にありがとうございました。

 まずはその結果をご覧下さい。
名前第1番第2番第3番第4番第5番第6番
遊佐猫介さん第4位第1位第5位第6位第2位第3位
KOUさん第1位第2位第5位第4位第3位第6位
ミッチさん第2位第1位第4位第3位第5位第6位
じょるじゅさん第3位第2位第6位第1位第5位第4位
Iulianusさん第2位第3位第6位第1位第4位第5位
さくらさん第4位第3位第2位第1位第6位第5位
LOM(管理人)第6位第4位第5位第1位第2位第3位
HSKさん第5位第3位第4位第6位第2位第1位
かきのたねさん第5位第3位第2位第4位第1位
直坊さん第5位第6位第1位第3位第4位第2位
ふゆひこさん第5位第6位第2位第1位第4位第3位
改さん第4位第2位第1位第6位第5位第3位
匿名さん第3位第2位第1位
ののさん第3位第2位第1位
クララさん第1位

名前第1位第2位第3位第4位第5位第6位
遊佐猫介さん第2番第5番第6番第1番第3番第4番
KOUさん第1番第2番第5番第4番第3番第6番
ミッチさん第2番第1番第4番第3番第5番第6番
じょるじゅさん第4番第2番第1番第6番第5番第3番
Iulianusさん第4番第1番第2番第5番第6番第3番
さくらさん第4番第3番第2番第1番第6番第5番
LOM(管理人)第4番第5番第6番第2番第3番第1番
HSKさん第6番第5番第2番第3番第1番第4番
かきのたねさん第6番第4番第3番第5番第1番
直坊さん第3番第6番第4番第5番第1番第2番
ふゆひこさん第4番第3番第6番第5番第1番第2番
改さん第3番第2番第6番第1番第5番第4番
匿名さん第3番第2番第1番
ののさん第3番第2番第1番
クララさん第3番
 思っていたよりもずっと変化の激しい結果になりました。この表をずっと眺めていても飽きません(笑)。

 これを僕なりに分析してみることにしますが、的外れなことを書く可能性も充分ありますので、鵜呑みにせずに自分でも表をよく見てみることをお勧めします。

 まず、単純に人気度のチェックから始めることにします。第1位→6点、第2位→5点、…、第6位→1点として点数の平均を出してみると、次のようになります。
合計点数回答数平均点数
第1番46143.286
第2番54134.154
第3番58144.143
第4番49124.083
第5番38123.167
第6番42123.500
この機械的計算によると、第2番>第3番>第4番>第6番>第1番>第5番の順で人気だということになります。わずかな差ですが第2番が第3番を抜いていることにまず驚きますし、第4番も頑張っているなという印象を受けます。この3つが固まっている一方、残り3曲はあまり評価されていません。

 では単純にそう考えていいかというと、もちろんそういう訳ではありません。詳しく見ていくことにしましょう。

 一般的な知名度からすると、第3番が一番有名で、次に第2番、あとはあまり知られていない、ということになるでしょうか。有名曲を高く評価したくなる気持ちはよく分かりますので、この2つが上位というのは納得できそうです。でも第3番の身には何があったのか?

 最有名のブランド第3番、それなりの票は獲得しています。第1位が5人、第2位が2人。
 もちろん疲れているときに浸れる曲です。「おやすみ前の3番さー。」と書いている直坊さん(1位)をはじめ、この曲が好きな人も当然います。
 専門家も高く評価しています。ハワードさんも"The final version of the pieces seems to require hearing in toto from time to time -- no matter how demonstrable it may be that the third is a masterpiece in its own right"(コンソレーションの最終稿は、(抜粋ではなく)全曲をときどき聴く必要があるようだ――第3番が実際に傑作であることがどんなに判然としていようとも)〔第9巻ブックレットp.5より〕という表現をしています。アラン・ウォーカーだって、"The Consolation in D-flat major has rightly earned a place for itself in the permanent repertory."(コンソレーション(第3番)変ニ長調は、正当にも(常に演奏可能な)レパートリーの中の相応しい地位を獲得している。)〔Alan Walker著「Franz Liszt: The Weimar Years, 1848-1861」(Cornell University Press)p.145より〕と書いています。
 それでも、この曲は一般に親しまれていないように僕は思います。アンケートの結果を見て確信しました。専門家を敵にして駄作だと言い切る気はありませんが、少なくとも曲集中最有名であることの必然性は感じられません。
 第3番を第1位にした5人のうち3人は、6曲全曲にまだ親しんでいない方です。そうすると聴く機会の多い第3番を一番上に持ってくるのは当然と言えるでしょう。そうすると、6曲の中から第3番を第1位に選んだ人は、2人に減ります。
 第2位の2人も、強く支持している訳ではなさそうです。さくらさんはコメントで「穏やかで平和的なこの曲ですが、私にはこの曲だけが有名な理由が分かりません。と言っても嫌いなわけでは全然ありませんけどね。聞き慣れているからこの順位になったのかもしれません。」と書いています。ふゆひこさんも(意外なことに)「正直に言うと、3番・4番以外はよく聴く曲ではないです。」…。
 第3番を第5位・第6位にした人の多さも、それを物語っています。第5・6位合わせて5人というのは、第1番と同列1位の多さです。ということで、コンソレーションと言えば「第3番を弾こう」というピアニストたちが、そろそろ改めるべきなのではないでしょうか?

 では、この人たちは何を高く評価しているか? 隣を見てみましょう。第4番、こいつが第1位をなんと5人から貰っています。第3番を第2位にしたふゆひこさんとさくらさんも2人とも第4番が第1位。第3番を最下位にしたじょるじゅさんとIulianusさんも第4番が第1位。ついでに第3番が第5位の僕も。
 でも、第4番を最下位にしている3人も見逃せません。HSKさんは「この曲だけは馴染めません。結局終わったら『??』と思ってしまいます。落ち着くのは間違いないのですが…。」と書いています。ころころ調子が変わり、つながりが悪いのは否めません。それを気にせず暖かさを楽しむか気にしてしまうかで、評価が大きく変わってしまう曲ですね。

 ここまで2曲は変ニ長調でした。残り4曲は全てホ長調です。

 第2番。単純計算ではこれが一番人気だということになっていましたね。この曲、何が凄いって、第4位以降が3人しかいないのです。道理で平均点が高い訳だ。僕にとって第2番は曲集中唯一“涼しさ”を感じる曲です。第4位にしましたが、嫌いという訳ではありません。第2番が大好きな人は、第1・3・4番はちょっと暑苦しいと言うのかも知れません。「ピアノで何回か練習した時、その音の魅力に惹かれました。」遊佐猫介さんのコメントです。

 「正直1番と2番の順位は入れ替わってもおかしくないです。一応今は2番が上になりましたけど。雰囲気は少し違いますがこの2曲は続けて演奏しなければならないし、1番は短くてまだ続きがありそうな終わり方をするのでこの2曲は切り離せないでしょう。」とさくらさん。ということで、第1番に行ってみます。
 僕は、短い曲だしと思って最下位にしましたが、これも嫌いじゃありません。悪くはないと思い始めた第3番を第5位に持ってきたせいで、第1番が第6位になってしまいました。いま思うと第3番と第1番を逆にしても良かったかも知れません。
 第4番が第1位のIulianusさんは、第1番を第2位に持ってきています。「コンソレーションは疲れた時に音をひとつひとつ噛み締めながら弾くと疲れが本当に取れるようです。特に第1番はゆっくりとテンポを取って響きに注意して弾くとベストですね。」調こそ違いますが、第1番と第4番の雰囲気には似たところがあると思っています。

 ここで最終曲第6番に飛んでみます。曲の性格的にも正反対であることが分かって面白いのです。
 第6番を応援している人が第1番の方で足を引っ張っていて、その逆も同様にあるのです。具体的には(カッコ内は第1番・第6番の順でそれぞれの順位です)、KOUさん(第1位・第6位)、ミッチさん(第2位・第6位)、Iulianusさん(第2位、第5位)/HSKさん(第5位・第1位)、かきのたねさん(第5位・第1位)、直坊さん(第5位・第2位)。
 ハワードさんに言わせると"extroversion"(外向性)のあるこの曲の雰囲気を、どう感じるかで真っ二つに分かれているようです。好きな人は「6番の盛り上がりが最高。豪快ですが、ちゃんと慰めてくれます。」(HSKさん)のようになるし、「6番は旋律がはっきりしないし、右手のアルペジオがうるさい感じがします。」(さくらさん)と感じる人も。僕は、決して悪くはないけど「コンソレーション」(慰め)という題の曲集に入れるのはどうなのか、と思って3位に落ち着いています。

 最後に残ったのが第5番。扱い方に困る曲です。
 第1位に挙げた人がいないのはこの曲だけ。最初の単純計算のときにも最下位でした。落ちこぼれ呼ばわりするのはかわいそうだけど、実際そうなのかなぁ…。
 まず始まり方。さくらさんのコメントに思わずにんまり。「5番は、のたーっとした最初の左手の主題が苦手ですね。悪い曲とは思いませんが、少なくとも私の好みではないです。」やっぱりそうですよね(笑)。僕も昔おなじようなことを書いていました。「冒頭から大人の音楽みたいな暗さ(?)があります。好きとは言えません。」(2003/09/24) このせいで、近寄りがたい印象を与えてしまっています。
 それでも僕は第2位にしてしまいました。始まってすぐに途切れた後からの、伴奏がメロディーに吸い付くようなあの緊迫感が、何とも堪らないからです。その緊張がどんどん解けてダラけていくのが、またちょっと嫌なのですが…。
 僕は第5番をかばいすぎたかも知れないとも思っています。でも、同じように第2位にした人があと2人もいることから考えても、悪い曲ではないのでは? いろいろな雰囲気を通過して、やがて第1番のような落ち着きに辿り着いて終わる。評価しにくい曲ではありますが、だからと言って毛嫌いするのは勿体なさすぎます。
 まぁ、第4・5位あたりに置いてやっている人が多いというのは、妥当な結果かなと思います。


 以上のことを参考にして、コンソレーションを初めて聴く際の順番について提案しておきます。(曲集として最初から順番に聴きたいという人には関係ありません。僕のように「曲」単位でいつも聴いている人の話です。)
 まず、一番人気の第2番を聴いてみましょう。最も涼しげな曲です。
 次に第4番。ザクセン・ヴァイマール大公妃マリア・パヴロヴナの主題によるものです。
 続いて第1番第6番。ゆっくり落ち着きたいなら第1番、パーッと盛り上がりたいなら第6番です。
 ここに第3番を持ってきてみました。ひねくれてるって言われるかな? ずばぬけて有名な「コンソレーション第3番」ですが、この曲だけ有名になる特別な理由を今の人たちは感じていない、ということで。安らかな雰囲気です。
 最後に第5番。親しみにくい感じがあるはずですが、コンソレーションのまとめのような気分で聴いてみてください。


 最後に、音大生のさくらさんが書いてくださった詳しいコメントを、これまで引用してきた分も含めて、全文紹介します。

 コンソレーションは全部弾いてみましたが、私は4番が一番好きです。純粋に凄く綺麗な曲だと思います。20小節目以降の転調しながら進むストリンジェンドの、はやるような不安なような…そういう感じも好きだし、低音の響きがいいです。余談ですが、12月にアルカディ・ヴォロドスのリサイタルに行ったんですけど、アンコールのうちの1曲がこのコンソレーション4番で嬉しかったです。ピアニストがこの曲を演奏しているのを生で聴くのは初めてのことでした。技巧の鬼みたいなヴォロドスですが、彼が弾くコンソレーションはとても繊細でした。その後定番のトルコ行進曲で暴れてくれましたが(笑)。

 次が3番。穏やかで平和的なこの曲ですが、私にはこの曲だけが有名な理由が分かりません。と言っても嫌いなわけでは全然ありませんけどね。聞き慣れているからこの順位になったのかもしれません。最後に出て来るカデンツァはリスト自身はもっと長くして弾いていたようです。

 2番は可愛らしい曲ですね。個人的には子供が遊んでいるようなイメージがあります。

 正直1番と2番の順位は入れ替わってもおかしくないです。一応今は2番が上になりましたけど。雰囲気は少し違いますがこの2曲は続けて演奏しなければならないし、1番は短くてまだ続きがありそうな終わり方をするのでこの2曲は切り離せないでしょう。

 残りの6番と5番はあまり好きな方ではありません。6番は旋律がはっきりしないし、右手のアルペジオがうるさい感じがします。

 5番は、のたーっとした最初の左手の主題が苦手ですね。悪い曲とは思いませんが、少なくとも私の好みではないです。



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